キャンプで大活躍!メスティンを使った炊飯の簡単手順と裏技
こんにちは!
over north Web担当のこばです。
今回は、長年アウトドア愛好家の間で人気を誇る万能調理器具「メスティン」での炊飯について、アウトドアブームが収まった今だからこそ、今一度掘り下げてみたいと思います。
メスティンと” over north” (弊社のアウトドアブランド名です)と言えば、2021年に発売したメスティンの蓋にもなる鉄板でお馴染みの『ロックパンS』ですが、今回の記事の趣旨とは若干ずれてしまう為、この記事の中では紹介などはしません。
もし、詳細が気になるという方は、その機能性や特徴などは別記事にて詳しくご紹介しておりますので、よろしければ以下のリンクからご覧下さい。
上記のタイトルだけを見ますと、ロックパンSの説明をしている記事なのか不安に思う方もいらっしゃるかと思いますが、記事の中盤辺りでガッツリ説明させて頂いておりますので、これからメスティンを本格的に使っていこうと思っている方にとっては参考になるはずです。よろしければどうぞ!
メスティンとロックパンSは切っても切り離せない関係なのです。
さて、話を今回の記事の内容に戻します。
キャンプ初心者の方だとまだ慣れていない為か、キャンプ飯といっても、お湯を沸かしてカップ麺という方が多くなりがちなのではないでしょうか?
もちろん、外でお湯を沸かして食べるカップ麺の美味しさは格別で(正直めちゃくちゃ分かります!)、むしろそれを目当てにデイキャンをされているという方もいらっしゃるのではないかと思いますが、コンパクトでありながら様々な調理が可能なメスティンを使いこなすことで、更に充実したキャンプ飯が楽しめるようになるんです!
とは言え、千里の道も一歩からということで、本記事は”メスティンと言えば炊飯”の観点から、炊飯の基本手順をはじめ、ベテランキャンパーも知らない(かもしれない)メスティン炊飯の裏技もご紹介していければと思っております。
物価高騰、米価格高止まり状態の中、できれば失敗は避けたいですよね。
また、この記事を最後まで読むことで、あなたもメスティン炊飯においては教える立場になれるはずです!
メスティンの魅力とは?
メスティン炊飯について説明する前に、まずはメスティンに関して改めて簡単に触れておきたいと思います。
- 軽量でコンパクト:バックパックにも収まるサイズ感
- 多機能性:炊飯だけでなく様々な調理に対応
- 調理以外にも:蓋つきなので移動中は小物入れとしても
- シンプルな構造:手入れが簡単で長持ち
- 熱伝導に優れた素材:アルミ製の為、均一に熱が伝わり美味しく炊ける
一人旅やソロキャンプでは、調理器具を複数持っていくのは出来れば避けたいところなので、これ一つで炊飯や大体のキャンプ飯をカバーできるところが大きな魅力です。
メスティン炊飯に必要な基本の道具
それでは、メスティンで炊飯する際に必要な道具(食材)をご紹介していきましょう。
・メスティン(メーカーにより微妙に容量が異なる)
・熱源(カセットコンロ、固形燃料、焚き火など)
・米(簡単なのは無洗米)
・水
・計量カップ(シェラカップで代用も。自宅で予め計っても〇)
・箸またはスプーン(かき混ぜ用)
・軍手orアウトドアグローブ(熱いメスティンを扱うため)
・タオル(蒸らし用。専用保温バッグでも)
メスティンでの基本の炊飯手順
STEP 1:米を計量する
メスティンで炊飯する場合、一般的には1合(約150g)程度が適量です。
メスティンのサイズによっては1.5合、ラージメスティンなら3合まで炊くことも可能ですが、初めての方は1合から始めるのがおすすめです。
ポイント:メスティンに付属の目盛りを使う場合は、若干少なめに計量するとちょうど良いことが多いです。
STEP 2:米を研ぐ
キャンプ場では水の使用に制限がある場合も多いため、無洗米を使うと手間が省けます。
通常の米を使う場合は、以下の手順で研ぎましょう:
1.メスティンに米を入れ、水を加える
2.水を加えつつ優しくかき混ぜる(ゴシゴシと強く研がない)
3.水を捨てる
4.上記を2〜3回繰り返す
ポイント1:米は水に触れた瞬間に吸水が始まる為、上記の手順は素早く行いましょう。炊き上がったご飯が米ぬか臭くなるのを防ぐことができます。
ポイント2:米の吸水は2時間で止まる為、自宅で研いで袋などに入れ吸水させた状態で持ち運ぶのもおすすめの方法です。
STEP 3:水加減を調整する
メスティンでの水加減は吹きこぼれを考慮して、通常の炊飯器より若干多めにするのがコツです。一般的な目安は以下の通り。
- 1合:200ml前後
- 半合:100ml前後
- 固めが好きな方は180mlでも問題ないかと思います。何回か実践する中で、好みの水分量を見つけてみて下さい。
ポイント:お好みの硬さによって調整してください。新米なら水を少なめ、古米なら気持ち多めに調整するのもコツです。
STEP 4:浸水させる
最低でも15〜30分程度浸水させることをおすすめします。特に寒い季節は吸水時間を長めにするとよいでしょう。
STEP2でも触れましたが、一番は自宅で研いで移動中に吸水させる方法です。
2時間以上浸水させても全く問題ありませんので(12時間までは大丈夫)、移動時間が長くても大丈夫かと思います。
ポイント:キャンプ場に行くと何かとやることがあるかと思います。キャンプ場で洗米する場合は、吸水時間を考慮した上で米研ぎの作業順序を決めましょう。
STEP 5:火にかける
1.メスティンのフタをしっかり閉める(手近な石での重しは必須)
※対応するメスティンをお持ちであれば、最初にご紹介させて頂いた弊社のロックパンSを蓋として使用するのもアリです!
2.中火〜強火で加熱を始める(沸騰まではかき混ぜるのもアリです)
3.沸騰してきたら弱火にする
4.約8分加熱を続ける
ポイント1:沸騰後は必ず弱火にすることが大切です。強火のままだと焦げ付きやすく、水分の蒸発も速い為ご飯も固くなります。
ポイント2:市販の炊飯器に踊り炊き機能があるように、加熱中にかき混ぜることは悪くないようですが、やらずとも十分に美味しいご飯を炊くことは可能です。
STEP 6:蒸らす
火を止めた後の蒸らし工程が、ふっくらとしたご飯に仕上げる鍵と言っても過言ではありません。
1.8分加熱後に火から外す
2.メスティンをタオルで包む(保温効果を高める)
3.逆さにして10〜15分間そのまま放置する(ご飯の張り付き防止と下に溜まった水分を全体に行き渡らせる為)
ポイント1:タオルでもいいのですがメスティン保温バッグの方が有能です(寒い時は特に)。
ポイント2:火から外す前に10~20秒強火に当てると、お焦げが作りやすくなります。
ポイント3:蒸らし中はしっかりと保温しておきましょう。折角の炊きたてなのにアツアツではなくなってしまいます。
STEP 7:ご飯をほぐす
蒸らしが終わったら、箸やスプーンで軽くご飯をほぐします。この時点で美味しいツヤのあるご飯が炊けているはずです。
ポイント:ご飯をほぐす際、スプーンや箸を水に濡らしておくことでほぐしやすくなります。
メスティン炊飯の裏技集
上記の手順とポイントを意識することで十分に美味しいご飯を炊くことが可能ですが、慣れてきたら裏技も試してみて下さい。
裏技1:水の温度
炊飯時の水の温度、意外と重要です。特に吸水時は一桁温度をキープすることで、ご飯の甘みがグッと引き出されます。
方法:
・米用の水は冷蔵しておくのがベスト
・家で米を研ぎ、移動中(吸水中)はクーラーボックスに入れて保冷
裏技2:おこげ作成法
手順の中でも軽く説明しましたが、おこげは意図的に作ることが可能です。
手順:
1.8分加熱後の火を消す直前を待つ
2.強火にする
3.そのまま20秒程度待つ(メスティン内部からチリチリと聞こえ始めたら更に5秒以上待つ)
4.蒸らしの工程に移行する
ここまで説明して言う事ではないかもしれませんが、メスティンでのおこげ作成は推奨しません(あくまで個人的な意見です)。
おこげを作った結果、おこげ以外の普通のご飯部分まで水分が抜ける感じがしてふっくら感が無くなる印象だからです。
アルミ製であるメスティンは熱伝導率が高い為、普通にご飯を炊くのが得意(他は欲張らなくとも満足感は高い)だと私は思っています。
おこげを作るなら、ぜひ土鍋で挑戦してみて下さい。
メスティン炊飯を否定しているように感じる方もおられるかもしれませんが、決してそうではなく各々得意分野があるという事です。
裏技3:炊き込みご飯の簡単アレンジ
メスティンは炊き込みご飯にも最適です。基本の炊飯に以下のアレンジを加えるだけで、簡単に美味しい炊き込みご飯が作れます。
◆簡単アウトドア炊き込みごはんレシピ
- ・米1合に対して、顆粒だしの素小さじ1
- ・乾燥わかめ、干ししいたけ(スライス)、切りイカなどの乾物
- ・カットした薄揚げ
乾物を使うことで荷物を減らせるうえ、保存も効くのでキャンプ料理には最適です。
乾物が入るので、10~20cc程度水を増やして下さい。
香りづけで炊飯前に醤油もしくは白だしを少々加えるのもアリです。
裏技4:洗い物をより楽に!
水の使用量に制限がありがちなキャンプ場では、如何に洗い物を少なくするかが重要になってきます。一つの方法としてメスティンの内側にアルミホイルを敷く方法があります。
方法:
- メスティンの内側にアルミホイルを二重に敷く
- その上で通常通り炊飯を行う
これにより、炊飯後の掃除が格段に楽になります。特に炊き込みご飯などの焦げ付きやすい料理に効果的です。
クッキングシートでも同様の効果を得られますし、アルミホイルよりもご飯がくっ付きづらいので個人的なおすすめはこちらです。
少し上級者向けにはなりますが、メスティンで燻製を作る場合は、アルミホイルでメスティン内部を覆う方法が匂い、色付きを防止できておすすめです。
裏技5:余熱調理法
燃料を節約したい場合や、持続的な熱源がない場合に便利な方法です。
手順:
1.沸騰してから5分程度加熱する
2.火を消し、メスティンを保温バッグやタオルで包む
3.その上から、更に保温効果の高いダウンジャケットや寝袋で包む(メスティンの熱で素材が溶けないように注意)
4.そのまま約30分放置する
一度沸騰さえしてしまえば、熱を加え続けなくともご飯を炊くことは可能なんです(ただ、周囲の温度が低いと失敗する可能性あり)。
あまり実践する機会がない裏技かもしれませんが、いざという時の為に覚えておいても損はないはずです。
よくある失敗とその対策
失敗1:焦げ付いてしまう
原因:火力が強すぎる、水分量が少なすぎる
対策:
- 沸騰後は必ず弱火にする
- 水加減を見直す(若干多めにしてみる)
- メスティンの底に焦げ防止のためのアルミホイル、クッキングシートを敷く
失敗2:芯が残る・硬い
原因:水分量が少ない、加熱時間の過不足や蒸らし時間の不足
対策:
- 水加減を10〜20cc増やす
- 加熱時間を1〜2分前後させる
- 蒸らし時間を十分にとる(最低10分以上)
失敗3:ベチャベチャになる
原因:水分量が多すぎる
対策:
- 水を10〜20㏄減らす
- 最後に10秒程度強火にする
メスティンのお手入れ方法
メスティンを長く使い続けるためには、適切なお手入れが欠かせません。
使用後はすぐに洗う:特に炊飯後は米粒が付着しやすいため、なるべく早く洗いましょう
柔らかいスポンジを使用:アルミは柔らかい金属なので、金属たわしなどでこすると表面に傷がつきます
よく乾かす:収納前に水分はしっかりと拭き取りましょう
まとめ
メスティンを使った炊飯は、慣れれば非常に簡単でキャンプの食事を格段に豊かにしてくれます。
火加減や気温、水の量など様々な要因がある為、初めは失敗することもあるかもしれませんが、この記事で紹介した基本手順と裏技を実践することで徐々にコツをつかんでいけるかと思います。
失敗すると気分が萎えてしまうものですが、この失敗は自分しか体験していない一次情報です。
現代はSNSが発達し、他人が発信したポストなどから知識を得ること(二次情報ないし三次情報)が当たり前になっていますが、どの時代でも最強なのは一次情報(自身の体験)なんですよね。
失敗は自分が持っている一次情報が一つ増えたという認識にして頂いて、どんどん挑戦していった方がいいと個人的には思います(状況によってはメンタルケアも重要ではありますが)。
キャンプ場で炊きたてのご飯を食べる喜びは格別ですので、メスティン一つで手軽に実現できるこの醍醐味を、ぜひ体験してみてください。
次回のキャンプでは、自信を持ってメスティン炊飯にチャレンジしてみましょう!
世の中にないものを提供する | over north(オーバーノース)
over north(オーバーノース)では、長年培ってきた金属加工の技術を活かして、世の中にないものを提供することを目指し、金属製アウトドア用品・家庭や飲食店での使用を想定したオシャレな金属皿を取り揃えております。グリルプレートや焚火台、メスティンの蓋のロックパン等の開発・製品化もしており、材質は鉄やステンレス、チタンなどさまざま。ソロキャンプにもおすすめです。
屋号 | 有限会社北越金型 |
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