メスティンでの炊飯に固形燃料は必須?
皆さん、こんにちは!
金属加工職人の店 金属製のお皿・金属製アウトドア用品専門ショップ『over north』 WEB担当のこばです。
最近、メスティンを使われる方が劇的に増えましたよね。
普段ほとんどバーベキューやキャンプをやらないような人までメスティンという単語を知っているくらいですから凄い時代になったものです。
ブームの火付け役となったトランギアのメスティンなんて、高額転売されてましたからね!(今はだいぶ需要も落ち着いてきて、転売する意味もなくなってきております)
まあ、メスティンがこんなに急速に広まった背景には、アレやらコレやらございますが、中でもその有力候補として挙げられるのが、固形燃料を使用しての自動炊飯が出来るということ。
最初に誰が情報提供してくれたのか、今となっては分かりませんし、調べる術もありませんが、メスティンが広まった背景の一つであるのは間違いないかと思います。
メスティンと飯盒
メスティンを見たら、誰しも(少なくとも90%以上の人)が思い浮かべるであろうアイテムが飯盒でしょう。
私も実際そうでした。
なぜかと言えば、小学生の時、必ずと言っていいほど飯盒炊爨(すいさん)を経験していて、メスティンの形状と色合いがその記憶内の飯盒とマッチするからなんですね(みんな経験してますよね?)。
余談ですが、ここ最近まで飯盒すいさんって間違えて覚えてたって思ってたんですが、正しいんですね、これ(笑)
今までずーっと飯盒炊飯を小学生の時に“すいさん”って間違えて覚えてたわーって思って過ごしてきました。。。(笑)
今回の記事を書くにあたって少し調べものをしていたら、偶然にそれを説明している記事にあたりまして、約30年ぶりにモヤモヤが解消された気分で清々しくこの記事を書いております!
因みになんですが、炊爨(すいさん)も炊飯も両方間違いではなく、炊爨の場合は飯盒でご飯を炊く以外にカレーやらなんやら、おかずも一緒に作ることをまとめて飯盒炊爨と言うらしいです。(結構ドヤ顔で書いてますが、皆さんもしかしてご存知でした。。。?)
これでまた一つ勉強になりました!まさに生涯学習!(笑)
では話を戻しまして、全国の山や海の近くなどに存在している少年少女自然の家(っていう名前だった気がします。。)に小学5年生くらいの時に行って、1泊2日だったかで自然の中での生活を体験するという行事ってありましたよね?
皆さんの中にも経験された方って結構いらっしゃるんじゃないでしょうか(今現在も継続してこういった行事を実施しているのかは分かりませんが、まあやってそうですよね)。
で、その中に自分たちで火を起こして飯盒でご飯を炊き、カレーを作って食べるという課題(まさに飯盒炊爨!)もあったはずなんです。
その記憶が蘇ってくるんでしょうね。
ただ、飯盒での炊飯って結構難しくて、飯盒で米を洗う段階から面倒臭かったりします。
今となっては色んな便利グッズが出てますので、当時よりは楽になったのでしょうが、当時はなぜか計量カップすら与えられなかったですからね。
飯盒の蓋で量れるって言われた気がしますし、いざとなった時に計量カップが常にある訳ではないので、正しいっちゃ正しいんですが。。
まあ、そんな話は置いといて。。。
飯盒って結構深いじゃないですか?
一気に多くのご飯を炊けるのはいいんですけど、1点問題があるんですよね。
パスタでもそうなんですけど(元イタリアンレストラン勤務)、一度に作る量が多ければ多いほど難しくなるんです。。
それはなぜか?
火の通りが均一になりづらいからです。
コンロを使う訳でもなく焚き火ですし、子供がやっていたら尚更ですよね。
もしかしたら、生煮えやおかゆみたいになった、逆に焦げてしまったという苦い経験をお持ちの方も中にはおられるのではないでしょうか?(そういった失敗が人生の経験値として積みあがっていくのは間違いない事実ですが)
一方のメスティンなら、冒頭の理由によりそういった失敗がほぼ起こらないんですね。
メスティンでの固形燃料を使用した自動炊飯
レギュラーメスティンの大きさ的に1合しか炊けない分(通常サイズのメスティンだと1.8合、メーカーによっては2合炊けますが、説明を分かりやすくする為にキリ良く1合にさせて頂いております)、元々均一に火が通りやすく失敗しにくいというのもありますが、固形燃料による自動炊飯という裏技を使ったが最後、ほぼ失敗のしようがありません。
通常サイズの固形燃料(大きいサイズもあるのでご注意を)であれば、1合が炊けるのにちょうどいい火力と燃焼時間を維持してくれますので、まさに自動炊飯!(笑)
米を洗って30分以上給水させた後、固形燃料を設置した焚き火台に乗せて固形燃料に火をつけるだけです。
こうなるとハードルは最後の蒸らしくらいですね。
それも、やり方とちゃんとした道具(蒸らし用の保温袋的なやつ)さえあれば簡単です。
ぶっちゃけ、保温袋にしまうという蒸らしの手順が必要なくなるアイテムもあるんですけどね。←それは後述します。
以上の通り、メスティンの炊飯に固形燃料が(特に初心者の方には)必須というのは分かって頂けたかと思いますが、逆に簡単すぎて、これでは学校の学習としては成り立たないですね(笑)
飯盒での固形燃料を使用した自動炊飯
では逆に、飯盒で自動炊飯はできないの?って疑問に思いません?
最近だと大き目の固形燃料も出てきているので頑張ればいけそうですが、たぶん難しいと思います。
なんたって固形燃料に対して飯盒が深過ぎます。
メスティンなら底の部分が広いので底面に火があたっていればある程度炊けるでしょうが、飯盒の場合は深さがある分、サイドにもある程度の火力が行き渡っていないとご飯が炊けないですからね。。。
立ち止まってちょっと考えれば分かったことですが、あえて飛び込んでみた次第です(笑)
ご飯の蒸らしが必要なくなるアイテムって?
先ほど、メスティンの自動炊飯のところで蒸らしの手順が必要なくなるアイテムがあるとお伝えしましたが、正確には、そのアイテムを使うことによって、保温袋等に入れることなくその場で蒸らしを完了することができるという意味になるのですが、どういったアイテムか想像できますでしょうか?
上の画像を出しておりますし弊社商品のユーザーの方でしたらご存知の方もいらっしゃるかと思いますので、お伝えします。
そのアイテムとは、ロックパン(S)です!
この商品は、メスティンの蓋で肉を焼けたら面白いだろうなー、荷物もコンパクトになるだろうなーという発想から生まれた商品で、弊社の人気商品の一つです。
では、どうしてこのロックパン(S)だと、ご飯の蒸らしがその場で完結するの?って話ですが、このロックパン(S)、見た目でお分かりかと思いますが鉄で出来ているんです。
では、なんで鉄だといいの?って話になると思うのでご説明致しますね!
ここからは若干、化学の分野になりますが、お付き合いの程、よろしくお願い致します(笑)
鉄とアルミの違い
それこそ、普段から料理をされる方は感覚として既に理解されている方も多いと思うのですが、鉄とアルミの違いとしてその見た目はもちろんのこと、それ以外の大きな違いとして熱伝導率があります。
熱伝導率とは、その名の通り熱が伝わる率、簡単に言えばスピードです。
空気の熱伝導率の値を0とした時、アルミは約236、鉄は約83.5(単位は割愛します)ということで、2倍以上の差でアルミの方が熱の伝わりが早いんですね。
身近なもので熱伝導率の優等生と言えば銅(熱伝導率は398)ですが、焼きムラが起こりにくいという事から銅鍋などの業務用の調理器具に加工されていますよね。
特に、些細な温度変化が失敗に繋がってしまうスイーツ業界でよく使われています。
アルミも銅までとはいきませんが、熱伝導率の優等生ではあるので、アルミパン、ソテーパンとして主に洋食界隈で使用されていますし、和食でも雪平鍋として使われることが多いです。
ただ、熱伝導率が良いという事は、逆に冷めやすいとも言えるんですよね。
恋愛に例えるなら、熱しやすく冷めやすいって言う、若干めんどくさいキャラです(笑)
一方で鉄の場合は、ステンレスとかに比べれば熱伝導率が良く、材料コストも他の金属に比べて比較的安価なので、フライパンや中華鍋などに加工されていますが、逆にそこまで熱伝導率の優等生って訳でもないんですよね。
なら、反対の角度からアプローチしてみりゃええやん!ということで、熱伝導率が良くないという事は、逆を言えば蓄熱性が高いという事です。
つまり一度温まれば、冷めるのが遅いという事ですね。
熱伝導率が約0.5~0.6の水と約83.5の鉄を比べて頂ければ想像しやすいかと思いますが、お風呂のお湯ってそんなにすぐ冷たくならないですよね?
一方で鉄の場合は、明らかにお湯よりも高い温度に上昇するにも関わらず、少し経てば触れるくらいになってしまいます。
では話を鉄とアルミに戻します。
アルミは熱伝導率が良いので割とすぐに冷めます。メリットでありデメリットでもあるので本当に難しいところですね。
メスティン自身が冷めた分を、内側の炊けたご飯の熱を奪うことで保とうとしますので、メスティンでご飯を炊いた場合、メスティンの板厚の薄さも相まって、蒸らしが完了する前に中の方までぬるくなってしまい、蒸らしが微妙な状態(中のご飯がぬるい状態)で完了してしまうのです。
なのでメスティン用の保温袋が開発され、それに入れることで、少しでも熱を逃がさないようにした、という訳ですね。
一方、鉄の場合は温度が下がっていくものの、アルミのスピードより2倍以上遅いので、蓋の方からはそこまで熱が逃げず、蒸らしが完了するまで中のご飯を温かいまま保つことが可能です。
ただ、正直言いますと、蓋をロックパン(S)に変更しただけでは不安要素が残ります。
お気づきの通り、底(メスティン本体)の部分がアルミのままだからです。
ですので、蒸らしの体制として一番良いのは、メスティンの蓋をロックパン(S)に変えた上で、メスティンの底にもロックパン(S)を重ねて(炊飯中から装着すること)、上下から熱を逃がしにくくすることです。
ただ、これですと、なんか押し売りっぽくなってしまって嫌なので、そこまで求めたくはないんです(笑)
余程冷たいところに置かない限りは問題なく蒸らしは完了しますので、ガスコンロの場合は火を消した状態でそのまま放置で良いでしょうし、焚き火台の場合は、日の当たらない端っこに置いておけばよろしいかと思います。
完璧を求めたい方は、ぜひご購入をお待ちしております!(笑)
まとめ
今回は固形燃料を使用したメスティンの自動炊飯に関して記事にしてみました。
あれだけ難しいと感じていた飯盒での炊飯が、メスティンだと固形燃料を使用するだけでほぼ自動でできてしまうので、初心者の方にとっては、使わない手はないですね!
ポイントは、固形燃料の大きさとお米の量を合わせること。
普通サイズの固形燃料であれば、お米1合、水200CC(固め好きなら180CC)が基本です。
残念ながら、0.5合に対応した固形燃料は無いっぽいので、初心者の方の中に1合だとご飯が多いと感じる方がいるかと思いますが、ひとまずは1合でやってみましょう。
残ったらラップおにぎりにしておいて後で頂きましょう。
何にでも言えることですが、まずは成功体験を積むことが大切です。
因みにお米0.5合、水100CCで固形燃料を使い切る形で自動炊飯を行った場合、ご飯の水分が抜けて、カチカチのご飯が出来上がってしまうようなので、ご注意を。。。
少し慣れてきた段階で、自分で起こした焚火、もしくはシングルバーナーコンロ等を使って炊いてみるのもいいかと思います。
追記(2024年6月):ガスコンロでのメスティン炊飯について書いた記事をアップ致しましたので、気になる方は覗いてみて下さい!
コンロでも比較的簡単にメスティン炊飯が出来るように順序立てて解説しております。
当然、自動炊飯ではなくなりますが、その代わりおこげの有無が自由自在です♪
直火でご飯を炊く大きなメリットの一つがおこげであるのは万人が認めるところだと思いますので、ぜひ狙っておこげを作る成功体験も積んで頂きたいと思います!
ロックパン(S)にご興味を持たれた方は、こちらから詳細を確認可能です。