キャンプで使うパスタは実は茹でて持っていくのがベストなんです!
皆さん、こんにちは!
アウトドア用品メーカー over north WEB担当のこばです。
今回は、『キャンプで使うパスタは実は茹でて持っていくのがベストなんです!』と題しまして、キャンプでもパスタを楽しみたい!という人に向けた、裏ワザや注意点等をお伝えできればと思います。
今は普通の会社員ですが、元イタリアンの料理人ですのでパスタに関してはお任せ下さい!(笑)
キャンプでのパスタ
料理の工程上、基本的に湯切りが発生してしまうパスタは、持って行かなければならない道具も多くなりますし、茹で汁どうする?問題も生じる関係で一見するとキャンプに不向きだと思われがちです。
(炊事場、調理場で作れる場合は別として)
実際に数年前までは恐らくこの考えがスタンダードだったと思います。
ですが、コロナ禍でキャンプやBBQなどのアウトドアレジャーに光が当たりだすと、アウトドア人口が一気に増加。
それに商機を見出して、様々なメーカーがアウトドアを充実させる料理グッズを発売した結果、一気にキャンプ飯の幅が広がったように思います。
イタリアンに勤めていた頃は1日に100食以上パスタを作っていたこともありましたが、その当時は、まさかキャンプ飯の一つとしてパスタがラインナップされるとは夢にも思っていませんでしたね(笑)
もちろん、以前から工夫を凝らしながらキャンプ飯としてパスタを作っていた方はいらっしゃったでしょうが、ここまでメジャーになるとは…という感じです。
まあ、そんな感慨にふけるのもほどほどにしまして、現役時代に実際に業務に取り入れていたパスタ調理に関しての裏ワザをご紹介していきたいと思います。
ワンパンパスタ
裏ワザや注意点をお話しする前に一つ、最近のパスタのトレンドについて触れておきましょう。
まだ?と言わずにお付き合い下さい(笑)
YouTubeで料理系の動画をよく見ている人なら気付いているかもしれませんが、最近ワンパンパスタ増えてません?
ワンパンパスタって何?って方もいるとは思いますが、最近(2023年9月に投稿してます)出始めた言葉だと思うので、分からない方がいて当然です。
説明しますと、ワン(一つの)パン(鍋で作る)パスタという意味です。
ズボラ飯や時短料理が支持されている影響なのか、最近多いんですよねーワンパンパスタの動画が。
まあ、私はワンパンパスタ否定派ではないので、結構観ますけどね、そういう動画。
もしワンパンパスタを知らなかったという方がいましたら、ぜひ覚えて帰って下さいませ!
因みにそういった動画の中で私のオススメは、【ファビオ飯】というチャンネルです。
若い方ですが、本場イタリアでの修行で得た技術と知識で、パスタに限らずイタリアンを中心に様々な料理をレクチャーしてくれています。
特に肉(ステーキ)の火入れは学ぶ部分が多いです。
オススメワンパンパスタ動画はこちら!
という感じで、ワンパンパスタって一般家庭でも広がりを見せているんですよねー
しかも、本場イタリアでも調理法として確立されているというから驚きです。
それこそ、あまり多くの調理器具を持っていけないアウトドアでは、以前から一つの鍋もしくはメスティンで乾麺の状態からパスタを作る方はいらっしゃったと思います。
何を隠そう私も乾麺から作るワンパンパスタならぬ、ワンメスティンパスタのレシピを記事で投稿しております。
下記のリンクからご覧頂けますので、ぜひこの記事のあとにでもご覧頂ければと思います!
事前準備がほぼ必要ないという点でワンパンパスタは最強なのですが、今回のメインテーマはあくまでもキャンプでのパスタは茹でて持っていく!ですから、前座はこのあたりにしておきたいと思います。
パスタは茹でて持っていく! パスタ茹で方講座
前座が少し長くなりましたが、ここから今回の本題になります。
いきなり核心部分になりますが、以前に私が勤めていたイタリアンレストランではランチ時のパスタ提供を早めるため、事前に半分程度茹でておいたパスタを使用していました。
チェーン店なので、今でも恐らくそれは変わっていないでしょう。
いわゆるハーフボイルパスタですが、今回の裏ワザとはこれの事になります!
ハーフボイルする事によって何が良いのかと言いますと、オーダーが入った後の麺の茹で時間が短くなるので、料理提供を早くすることができるのはもちろんの事、事前に1人前を計量し玉の状態にしておくので、オーダーが入った後に麺を量る必要がなく、その点においても(数秒ですが)提供を早めることができるのです。
ただ、ソースづくりや味決めにもたついていると、すぐにアルデンテを過ぎてしまうのは注意点ですし、ボイル後30時間以上経過すると風味や麺のコシなどが弱くなっていきますので、それまでに使い切る必要があります。
とは言え、荷物にならないようにキャンプでは使い切ることを前提に持っていくと思いますし、ソースの味決めに関してもレトルトのソースを使えば問題はないかと思いますよ!
もちろん、料理が得意な方は現地の食材などもプラスしてぜひオリジナルのパスタを作って下さい!これもキャンプの醍醐味の一つですしね!
因みにパスタを投入する際、上の画像のように螺旋状にしたい場合はパスタの束を軽くねじった状態(強くねじるとパスタが折れます)でお湯に投入し(パスタを握っている手がお湯に触れないようにご注意を)、少し上から押した後にパッと離します。そうすると画像のように綺麗になりますよ。
では、ここから実際にハーフボイルの手順をご紹介していきたいと思います。
ハーフボイルの手順
手順1
深い鍋に水をたっぷりと張り沸騰させる
手順2
沸騰したら水の量に対して1%の塩を入れかき混ぜたらパスタを入れる
⇒茹でている間はパスタ同士がくっつかないようにしっかりとかき混ぜた方がいいです
手順3
パスタの袋を確認し、標準茹で時間の半分弱茹でる
⇒茹で時間が8分なら3分~3分半くらいです。
お湯を切った後も少しずつですがボイルが進むので茹で過ぎには注意です
手順4
時間になったらパスタをザルにあける
⇒トングで取り出すと、途中もたついてしまってハーフボイル状態を基準とした時にオーバーボイルになる可能性があるので、素直にザルにあけましょう
火傷する可能性も上がりますしね。
ザルにあけるとまだ芯がだいぶ残っていて、博多豚骨ラーメンで言うところのいわゆるハリガネ状態ですが、手で扱えるくらいまで冷めると固茹で状態(芯がある程度柔らかくなる)になっているのでご安心下さい
手順5
熱い内に麺同士のくっ付き防止の為、ザルに入れた状態で油を回しかける
⇒ザルに入れた状態が一番、油を全体に浸透させやすいので、この時に油をかけた方が良いです
この際は汚れてもいいシンク内か、ザルの下にボウルを置いた状態で行ってください
手順6
ザルの中でパスタの天地を逆転させ油を全体に浸透させる
⇒パスタのデンプン質によって麺同士がくっつくので、ザルの両端を持ちフライ返しの要領でパスタを回転させてください
できない方はトング等でひっくり返してください(まだ麺が熱い状態ですので、素手で触ると火傷します)
その際にまだハリガネ状態のパスタが折れる可能性がありますが、多少は仕方がありません
手順7
全体に油が浸透したら、パスタの全体量より気持ち大き目のバットもしくはボウルに移し替える
⇒この状態でパスタが人肌くらいの触れる温度になるまで待ちます。時々、天地を返してあげると冷めるのが早まります
この間にザルや使った道具類を洗っておくと片付けが楽です
手順8
パスタを必要に応じて計量し、完全に冷めたらジップロック等の持ち運びやすい袋に収納する
⇒パスタが触れるくらいの温度になったら、まだパスタ同士がくっついていると思うので手でほぐしてあげると現地で調理する際にやりやすいです。完全ほぐれている状態が理想です
ここで油を切る必要は特にありません。もしカロリー等気になる方は、一旦キッチンペーパーの上に置いて油を切ってからでも大丈夫です
2種類以上のパスタを作る予定の場合は、この段階で分けておきましょう
手順9
ジップロック内の空気を抜いて出発まで冷蔵庫にて保管する
⇒この状態であれば1日程度は美味しさをキープできますので、前日の夜に仕込んでも問題はありません
当日はクーラーボックスに入れて持ち運びます
現地での調理
レトルトのソースを使う場合は、袋の状態で温めずにクッカー(フライパン等)にソースを注ぎ、100gのパスタにつき200~300cc弱の水も入れ沸騰した段階でハーフボイルパスタを入れます。
あとは、パスタをほぐしながらソースを煮詰めていけば、パスタが完成します。
火加減により、アルデンテ前にソースが煮詰まってしまった場合は水を適宜追加して調整してください。
とは言え、多少固い程度でしたらそのまま盛り付けてしまいましょう。
食べ始めるまでに1分以上かかると思いますので、勝手にアルデンテになってくれます。
パスタのくっ付き防止の為にかけた油がソースの乳化を促進してくれるので、いつもよりまろやかなソースに仕上がりますよ。
途中味見をして、塩味が足りなければ塩やコンソメなどを追加してください。
ワンポイントアドバイス
・粉チーズを持っていくとパスタ自体の塩味が足りなかったとしても盛り付け後に調整ができるのでオススメです!トマト系だけでなくオイル系のパスタにかけて頂いても大丈夫です。
・パスタは乾麺の状態で200gが一般的な大きさのフライパン(26㎝)で調理できる限界です。
300gは厳しいと思いますので、大人数でのキャンプの場合はその辺を考慮して、複数種類のパスタを作るのか、それとも大きいフライパン(もしくは鍋)を持っていくのかを判断された方が良いかと思います。
・ダッチオーブンなどの鋳鉄はデンプン量の多い食材を炒めると多少の水分があってもすぐにくっつきます。なのでパスタ調理には向きませんが、スープパスタならいけそうな気はします(試してないので断言できずすみません)
まとめ
今回は『キャンプで使うパスタは実は茹でて持っていくのがベストなんです!』と題しまして、最近キャンプで作られることが増えたパスタを、事前にハーフボイルして持っていく方法をご紹介致しました。
この方法であれば現地で茹でる手間や時間が必要ありませんし、余計な調理器具を持っていく必要もありませんので、とてもオススメの方法です。
他のブログなどで紹介されている冷凍して持っていく方法も悪くはないのですが、冷凍庫の性能によっては、冷凍する際にパスタの品質が劣化してしまいますので、どうしてもキャンプ数日前にパスタのボイルを仕込まなければいけないという時以外は、今回のハーフボイルの方法で良いのではないかと思います。
ところで、パスタによってアルデンテの持続時間が違うことはご存じでしょうか?
それ以外にも食感や麺自体の香りなど、メーカーによって違いがあります。
皆さんはプロとして料理を提供するわけではないと思うのでそこまで気にする必要はありませんが、今回のようにハーフボイルを事前にしておく場合は、アルデンテの持続時間が長くツルツル食感が特徴の”バリラ”を使うことをオススメします!
画像だと袋包装ですが、最近だと箱形態に変わってきているようです。
450gで税込300円弱と決して安くはありませんが、こういったハーフボイルの調理法を使う時にはオススメのパスタになります。
実際にプロも使用しているパスタで私が働いていた店でも使っていたので、そういった意味でも推せるパスタです。
長くなりましたので今回は以上となります。
期待されていた方がいたかもしれない、ハーフボイルパスタを使ったパスタのレシピは後日、別の記事にてご紹介したいと思っておりますので、お楽しみに。
最後までご覧頂き、ありがとうございました!
関連情報
世の中にないものを提供する | over north(オーバーノース)
over north(オーバーノース)では、長年培ってきた金属加工の技術を活かして、世の中にないものを提供することを目指し、金属製アウトドア用品・家庭や飲食店での使用を想定したオシャレな金属皿を取り揃えております。グリルプレートや焚火台、メスティンの蓋のロックパン等の開発・製品化もしており、材質は鉄やステンレス、チタンなどさまざま。ソロキャンプにもおすすめです。
屋号 | 有限会社北越金型 |
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