キャンプでのご飯の炊き方 メスティン編
皆さん、こんにちは!
over north WEB担当のこばです。
今回はキャンプ飯レシピ企画の第4弾と言って良いのか微妙なところなのですが、基本であるご飯の炊き方に関して改めて深堀していきたいと思います。
突然ですが、皆さんが感じるキャンプ飯の良いところってどの部分でしょうか?
自然の中という開放的な空間で食べる醍醐味? もちろんそれは外せませんね!
自分達で起こした焚き火や炭火で料理をする楽しみ? はい、それも外せないでしょう!
外だからできる豪快な料理? 間違いないですね!
ですが、日本人だからこそ外せないものもありますよね!
そう、タイトルにもさせて頂いた通り、ご飯。お米です。焚き火で炊いたご飯って何か特別な感じがしませんか?
家電製品が高級志向に舵を切ってだいぶ経ちますが、炊飯器も毎年いろんな機能を搭載した新製品が登場しています。
お米の銘柄に対応した炊飯メニューを搭載した製品など、最早どの機種を選んでいいのか分からないくらいです(笑)
大手の家電メーカーの優秀な社員さん達の英知と努力を結集して生み出された、それらのハイテク炊飯器で炊いたご飯ももちろんおいしいと思うのですが、それに勝るとも劣らないのが、焚き火で炊いたご飯な訳です!
もちろん、焚き火で炊いたご飯は火力調整や加熱時間等、失敗してしまう要素はあります。
ですが、一方で炊飯器では中々出すことができない火力でご飯を炊ける(高級炊飯器は別として…)ので、甘み旨味がお米内に閉じ込められ、お米自体の味としても申し分ないものになるんですよね。あとはおまけ要素のおこげも…
それ以外にも
・自然の中で食べる
・苦労(火起こしや火力調整など)して炊いた
・文明の利器(炊飯器)を使わないでご飯を炊けた達成感
など、ご飯自体の味以外にも様々な感情が上乗せされての”味”であり、科学的に成分分析すれば、ハイテクな炊飯器で炊いたご飯の方が数値的に”おいしい”となるかも分かりません。
ですが、最終的には口に入った時の”感動”が一番じゃないですか。
なるべくなら、その”ご飯を炊く”ということを失敗せずにやりたい!
前置きから熱く語ってしまいましたが、今回のテーマはキャンプでのご飯の炊き方 メスティン編ということでやっていきたいと思います。
キャンプでのご飯の炊き方メスティン編 準備
まずは、準備編です。
自宅の庭など、家から離れていない場所でご飯を炊く場合はそれほど問題にはならないかと思うのですが、それこそ炊事場がないキャンプ場や野営時など、満足に水が使えない場所では準備が特に大事になってきます。
無洗米を使えば楽じゃん!という声が聞こえてきそうですが、今回はあくまでもメスティンでおいしいお米を炊くというテーマの記事ですので、無洗米は使わないという縛りにさせて頂きます。
まずは箇条書きで羅列し、そのあとに解説をしていきたいと思います。
1.当日調理をする場所の設備を確認しておく
2.米の分量を量っておく
3.手順1で確認した設備状況を元に、出発前にどこまで準備するのかを決める
〇解説
手順1では、インターネットで情報収集を行い、当日の施設内もしくは周囲に水が確保できる場所があるかや炊事場の有無を確認します。
野営の場合は、ほぼそういった施設はないでしょうから、家での準備が大切になってくるかと思います。
手順2に関しては、実践されている方がほとんどかと思いますので改めて言及することもないのですが、
余計な荷物を持っていけないアウトドアでは必須の手順ですよね。
手順3では、当日お邪魔する施設内に炊事場がある場合は、そこまで気にする必要はありません。
大事なのは炊事場がない場合や野営の場合です。
そう、お米を洗わなくてはいけないですよね。
炊事場がない場合はマナーとして基本的にお米のとぎ汁をその場に流せませんので、事前に洗ったお米を持参するしかありません。
味は落ちますが手間を考えると無洗米もアリですね。
その際の手順をご紹介します。
そこまで目新しい項目もありませんが、ポイントがいくつかございます。
前日に洗米まで済ませておく場合
1.お米を量る
→使うメスティンや一緒に行く人数を加味してお米を量ります。
レギュラーメスティンをいくつか用意して別々でご飯を炊く場合は、面倒ですが別々でお米を量って洗米した方が良いでしょう。
一緒に洗米して後で重さで分けることもできなくはないですが、米一粒それぞれで水の吸収スピードが微妙に違いますし、米の周りに付着した水分量もありますので、1合を正確に量れない可能性が高いです。
当日失敗しない為にも、ここでは個別で洗米した方が個人的にはおすすめです。
ラージメスティンであれば、一つで3~4人分のご飯が炊けますので、グループや家族で行く場合は都合が良いですね。
2.洗米する
→よく聞く話かと思いますが、近年は精米技術が飛躍的に進歩している為、洗米を丹念に行う必要がなくなってきています。
ただ1点、昔から変わらない点があります。
それは、一番最初に水を入れてから、その水を捨てるまでは最速で行うということ。
普段の米は乾燥状態にあり、そこに水を入れる訳なので一気に吸水が始まります。
とはいえ、最初の水は米の表面のゴミや精米で取り切れていない米ぬかも溶けだしているので、良い水とは言えません。
ですので、この最初の水はなるべく早く捨てて(水を入れ始めてから10秒以内)、新しい水に変えてあげる必要があるという訳ですね。
ここでザルを使えば早くできるんじゃね?という声が聞こえてきそうですが、なるべくザルは使わないでください。
なぜならば、ザルを使うことで米が必要以上に研がれてしまい、米の割れるリスクが高まってしまうからなんですね。
割れるとどうなるかというと、炊飯時に米内部のデンプンが出過ぎてしまい、炊けたご飯の一部が糊状になってしまう可能性があるのです。
3.吸水させる
→吸水に関しては一晩冷蔵庫に入れて行います。
その理由として、低温の水の方が米の内部まで水が浸透しやすいということと、雑菌の繁殖を抑える為です。
雑菌が増えると、炊飯した際に匂いとして出てくる可能性があるのです。
米は水に浸かってから2時間前後までは吸水が進みますが、それ以降はほぼ吸水が止まります。
ただ、12時間以上経つと炊いたご飯が柔らかくなり過ぎるリスクが出てきますので、翌日の起床時間を逆算して洗米を行うようにしてください。
翌日、吸水時に使用した水は捨てて、米のみアイラップ等に入れて持ち運びます。
※前日の洗米から当日の出発まで12時間以上空いてしまいそう、当日出発までに時間の余裕がありそうという方は、当日洗米を行っても問題ないと思います。
というか、そちらの方が準備としてはスムーズになると思います。
その場合は、移動時も水につけた状態で持ち運び、お米に浸水させ続けるようにしましょう。
ご飯の甘味がアップする効果に期待が持てます。
(浸水開始から2時間後以降にお米の吸水率がアップし、甘味も増してくるようです)
水が出ないよう、2重にしたポリ袋やアイラップに入れ、クーラーボックスに入れておきましょう。
もしくは、メスティンに入れていつでも炊飯がスタートできる状態にしておくのも手ですね!(その際はこぼれ対策をしっかりと!)
キャンプでのご飯の炊き方メスティン編 調理
続いて当日の調理編になります。
調理編は、自宅で洗米までを終わらせてきた、と仮定して進めていきます。
炊飯時に使う水に関しては読者の方それぞれでこだわりがあるかと思いますので言及しませんが、施設近辺に名水100選に指定されている場所があるのであれば、そこのお水を使うのも思い出の一つとして良いですよね。
もし遠出するのであれば、その場所で採れたお米とその場所の水を合わせるというのも粋なものですし、実際にご飯の美味しさもアップするとも言われていたりします。
1.水をキッチリ量る
→メスティンにはメモリが付いている物もありますので、その場合はそれに従って水分を計量しましょう。
ない場合は、メスティンの持ち手のリベット(取っ手を止めている丸い金具)の半分くらいを目安に水を入れます。
なるべく冷たい水を使用してください。
2.氷を1個(家庭用製氷機の氷の大きさで)メスティンに入れる
→メスティンでご飯を炊く場合は炊飯器で炊くよりもどうしても水分の蒸発量が多いので、ご飯(特に四隅)が固くなりがちです。
かといって、普段より水分量を多くすると柔らかくなり過ぎる危険性もあるので、氷で調整します。
氷で調整するメリットがもう一つありまして、それは水の温度を下げることができるということ。
下のコラムで詳しく書いておりますが、
正直、ここの水分量の調節はその時の天気、温度によっても微妙に変化しますので、神経質になりすぎないことも大切です。余程の量を間違わなければ普通に炊けますよ。
【コラム】水分量を氷で調整する理由
炊飯時に氷を1合に対して1個入れるとおいしく炊き上がるという知恵袋があります。
聞いたことがあるという方もいらっしゃるでしょう。
これは水の温度が低いとお米の吸水率が上昇するというところから来ています。
吸水率が上がるとお米内の糖を分解する酵素が活発に働くようになり、ご飯の甘味がアップすることに期待ができるのです。
なので、なるべく低い温度の水で炊くことがベターということですね。
また、加熱する際に80℃台の温度帯になるべく長く滞在させることでも甘みが増すと言われています。
その観点からも、炊く際には水の温度がなるべく低い状態からスタートするのが良いということなのです。
3.火にかける
→昔から「始めちょろちょろ中ぱっぱ~」と言って、始めは弱火で最後に強火で仕上げるというお米の炊き方がありますが、メスティンに関しては一部無視して構いません!(笑)
むしろ、この通りにやると水分が蒸発しすぎて四隅が固くなって、失敗とまではいきませんが、ちょっと残念な結果になる可能性があります(熱伝導率が高いアルミが故ですかね…)。
そうならない為にも、常に弱火がベストです!もちろん、メスティン炊飯に慣れていればその限りではありません。
沸騰後15分前後弱火で加熱します。
尚、蒸気によってメスティンの蓋が上がってこないように、必ず重しを載せておきましょう。
弊社から発売しているロックパンSでしたら、メスティンの軽いアルミ蓋の代わりに板厚3.3mmの鉄板を蓋にでき、ピッタリ嵌りますので重しが必要なくなります。(蒸気による蓋の持ち上がりを気にする必要がなくなるので、すごい楽です!吹きこぼれもほとんどしません)
4.内部の水分がなくなったら、火から外し蒸らす
→あえてお焦げを作る場合は別ですが、メスティン内の水分がなくなったら火から外し、逆さまにして(ウォーマーなどに入れ)蒸らします。
水分がなくなった目安はチリチリという音もしくは、ご飯が焼けている香ばしい匂いで判断します(吹きこぼれが焦げた匂いと混同しがちなので注意)。
火に近づきすぎると危ないので、確認する際は、一旦メスティンを火元から離して行いましょう。
※手順3で15分前後と書きましたが、火力によってはメスティン内の水分のなくなりが早くなったり遅くなったりしますので、時折確認することをお勧めいたします
5.約10~20分蒸らしたら完成!
→屋外の気温が低い場合、蒸らしている最中に内部の温度が必要以上に下がる可能性があるので、ウォーマーやタオルは必須です。
弊社から発売しているロックパンSでしたら、メスティンの素材であるアルミよりも熱伝導率が低い鉄製ですので、火から外した後も内部温度が下がりづらくなり蒸らす際にもお勧めです!
まとめ
ということで、今回は『キャンプでのご飯の炊き方メスティン編』と題して、改めてメスティンでご飯を炊くという部分に焦点を当てて記事にしてみました。
今回の大事なポイントをまとめると
・当日利用する施設の設備は事前に調べておく
・お米は炊く直前までクーラーボックスに保管
・ご飯を炊く水(浸水させる水)はなるべく冷たい温度で
・時間が許すのであれば、お米の浸水時間は2時間以上(本当に甘みが増します!)
・ご飯を炊いている間(特に沸騰後)は常に弱火(時々、内部の音の確認は必須)
こんなところでしょうか。
正直、失敗の方が思い出として残るので、それも一興という感じもしなくはないのですが、ご飯が失敗したと分かった瞬間、絶対にその場のテンションって下がりますよね(笑)
特にグループで来てた場合に炊飯を担当していた張本人の心境たるや…
それなら今回の記事をご活用頂き、キャンプ場でぜひおいしいご飯を炊いて頂ければと思います!
個人的には、キャンプ場でいきなり実践するのではなく、まずは火力調節が簡単なカセットコンロを使って、自宅でメスティン炊飯をやってみるというのが良いのかなと思っています。
いくら文章での説明を読んだとしても、実際に手を動かすとなると違いますからね。
また、本文中に時々登場した弊社のロックパンSを併用することで、更においしいご飯が炊ける(且つ、ご飯を炊いた後は鉄板としても使用できます!)と思いますので、こちらもご検討してみて頂ければと思います!
今回の記事は以上となります。
最後までご拝読頂き、ありがとうございました!
世の中にないものを提供する | over north(オーバーノース)
over north(オーバーノース)では、長年培ってきた金属加工の技術を活かして、世の中にないものを提供することを目指し、金属製アウトドア用品・家庭や飲食店での使用を想定したオシャレな金属皿を取り揃えております。グリルプレートや焚火台、メスティンの蓋のロックパン等の開発・製品化もしており、材質は鉄やステンレス、チタンなどさまざま。ソロキャンプにもおすすめです。
屋号 | 有限会社北越金型 |
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