ステンレス製の焚き火台のお手入れ方法とは?
皆さま、こんにちは!
over north WEB担当のこばです。
今回は、割と間違っている人がいると思われる、ステンレス製の焚き火台のお手入れ方法について書いていきたいと思います。
お手入れ方法と言いますか、どちらかと言うと注意点のような感じになるかもしれませんが、よろしければお付き合い下さいませ。
ステンレスについて
焚き火台のお手入れ方法について書く前に、まずはステンレスとは何なのかを分かっていた方がいいかと思いますので、ご説明しておきたいと思います。
ステンレスとは、英語表記だと”Stainless Steel“となり、stain(錆)がless(ない)steel(鉄)という意味です。
つまり、錆びない鉄。ステンレスとは鉱物の名前ではないという事ですね。
では、成分的にはどうなるのかと言いますと、主成分は上記の通り、鉄になります。
そこにクロムを10.5%以上添加して、錆びにくくしたものをステンレス鋼と呼称しています。
ですので、ステンレス鋼はクロムなどの割合により100種類以上に分かれており、それぞれで特性が異なる為、製造する製品ごとにどのステンレスを使用するか決まってくるという訳です。
とは言え、一般的に使用するのは、
・SUS304
・SUS430
ですので、専門的な職種でない限り、この二つを覚えておけば大丈夫かと思います。うちの会社もこの二種類のみです。
(というか、覚える必要もありませんが…(笑))
因みにSUS304は磁石がつきづらく(強力な磁石だと多少はつきます)、SUS430の場合は磁石がつくという性質を持っています。
ここまで説明したので最後に予備知識として…
どうしてステンレスが錆びないかといいますと、ステンレスに含まれているクロムと酸素が反応し、表面に薄い保護皮膜を作る為です。
ここから先の化学反応に関しては、少し専門的になり下手なことが言えないので、この辺で止めておきたいと思います。。。
焚き火台使用時の注意点
焚き火台のお手入れ方法をご紹介する前に、注意点を挙げさせて下さい。
これが欠けているとお手入れをしたとしても意味がありませんので、この点だけは押さえておいて頂きたいと思います。
それは、急激な温度変化は厳禁だという事です。
これはご存知の方も多いかと思います。
たぶん、実際にやる人はいらっしゃらないと思うのですが、一番簡単な事例をご紹介させて頂きます。
それは、焚き火台使用後すぐ、まだ熱い内に水をかけてしまうという事です。
金属に関する予備知識がない初心者の方だとやりがちなのですが、「熱い内に水をかければ汚れが浮き上がってその後のお手入れが簡単になるんじゃね?」って考えてしまうんです。
正直、その気持ちはめちゃくちゃ分かります!
恐らく私の場合も、金属加工会社に勤めておらず、こういった知識がなければやらかしていたと思います(笑)
金属は急激な温度変化に弱いので、熱いところに水をかけてしまうとそれによって簡単に曲がってしまうんですよね。
どのメーカーの焚き火台もそうだと思いますが、設計の際、ミリ単位で調整を行っている為、部品の位置によっては曲がったが最後、組み立てることができなくなるという事もありえます。
折角、汗水垂らして稼いだお金で手に入れた焚き火台です。
こんなことで使えなくなるのは悲しいですよね?
まあ、基本的に焚き火台の下に敷くスパッタシートがある状態で水をぶっかけることは無いと思いますし、キャンプ場は炭捨て場以外で消し炭を捨てることが禁止されているところがほとんどだと思うので、”焚き火台使用後即座に水をかける”という発想に至らないとは思うのですが、念の為ご紹介させて頂きました。
焚き火台のお手入れ方法
では最後に焚き火台のお手入れ方法について書いていきたいと思います。
まず前提として、焚き火台は一生モノではなく、あくまでも消耗品であるという事を忘れないで頂きたいと思います。
これは、決して私共の商品(TAKIBI STOVES)を買って下さいという事ではなく、その考え方をしていないと使用していく上で焚き火台の汚れが増していった際になんとなく気分が落ちてしまい、折角のキャンプを心から楽しめなくなってしまうと思うからです。
実際に鉄製の焚き火台は消耗品ですし、ステンレスは錆びないとは言え、使うたびに少しづつ耐久度は下がっています。
焚き火台は本当にピンキリの為、ガレージブランドなどの高いお金を出して購入したデザイン性の高い焚き火台ほど、そのままの美しい状態で残しておきたいというのはあるでしょうが、残念ながらそれは難しいです。
なぜならステンレスの焚き火台は、ほとんど錆びないとはいえ、燃焼時は炎によって常に酸化しているからなんですね。
酸化したところは黒ずんだり茶色っぽく変色していく為、どうしてもそれが汚れのように見えてしまうのです。
余談ですが、最近は黒く発色させたステンレスを様々な製品に加工した商品が目に付くようになりましたが、この現象を応用した技術になります。
塗料を塗っている訳ではないので色落ちがありませんし、シックで見た目もいいので、機会がありましたらネットで検索等してみて下さい。
正しい使い方をしていれば、数回使用しただけで使えなくなるほど急に消耗するということは起こらないと思いますので、1回使用する度に、ある意味で減価償却をしていると思えば少しは気が楽になるのではないでしょうか。
ということで、上記を踏まえた上でのお手入れ方法ですが、正直、上記の注意点がお手入れ方法の肝と言ってもいいくらいですので、あっと驚くような特別な方法はないのですが、おさらいと言う感じで読んで頂ければと思います。
まず、使用後に焚き火台の熱が冷めてから炭を取り除き(火消し壺であれば熱いうちに取り除けますね)、とりあえず現地では布や使い捨てのウェットティッシュ等で焚き火台内の灰のみを拭き取って持ち帰ります。
(消し炭はキャンプ場指定の捨て場へ)
帰宅したら、油が跳ねたり垂れたりした部品のみを洗剤のついたスポンジ(柔らかい面)で洗います。
その際、余程のことがない限りは、金たわしなどの表面に傷が付くものでは洗わないで下さい。
金たわしを使うことで汚れが落ちてくれるかもしれませんが、それ以上に次回以降汚れが付着しやすくなります。
(金たわしで傷が付くことによって見えない凹凸ができ、そこに様々な汚れが付きやすくなるのです)
一度傷つけてしまうと二度と元に戻すことができませんので、なるべく金たわし(そのほか、傷がつきやすいスポンジ類も)を使わないというルールは徹底された方がいいのではないかと個人的には思います。
これは焚火台に限らず、ご自宅の製品(シンクや鍋類)にも言えることです。
(上記を理解された上で金たわしを使用される分には全く問題ございません)
当然、普通のスポンジだけでは黒ずみは取れませんが、これを無理に取ろうとすると、かえって焚き火台の寿命を縮めることになります。
キャンプデートでギアを綺麗に見せたいという方の場合は、重曹等による黒ずみ落としにチャレンジしてみてもいいかもしれません。
ただ、焚き火台を重曹の入った水に入れて沸騰させなければならないので、それ相応の大きな鍋が必要になります。
(結局毎回使用するたびに汚れてしまうので、ここぞという時のみにしておいた方が時間も取られずいいかもしれません。ギアメンテナンスが趣味という方は止めませんが(笑))
多少汚れている方が玄人感が出て安心感を与えられそうですが、どうなんでしょう?(笑)
まとめ
今回は『ステンレス製の焚き火台のお手入れ方法』に関してご紹介してきました。
最終的にお手入れ方法と言うよりは使用時の注意事項が中心になってしまいましたが、少しでもお役に立つ部分があったなら幸いでございます。
焚き火台は安いもので2000円台くらいからある為、元々消耗品という考えを持っている方もいらっしゃったかと思います。
とは言え、汚くなったから買い替えるという事ではなく、SDGsの観点からも、使えなくなるまで使い倒したのちに仕方なく買い替えるという考え方でいて頂けたら幸いでございます。
自然を楽しむという事を趣味としている以上(そうではなくてもですが)、その点は常に意識しておきたいですね。
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over north(オーバーノース)では、長年培ってきた金属加工の技術を活かして、世の中にないものを提供することを目指し、金属製アウトドア用品・家庭や飲食店での使用を想定したオシャレな金属皿を取り揃えております。グリルプレートや焚火台、メスティンの蓋のロックパン等の開発・製品化もしており、材質は鉄やステンレス、チタンなどさまざま。ソロキャンプにもおすすめです。
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