冬キャンプの暖房使用は一酸化炭素中毒への片道切符なの?
皆さま、こんにちは!
over north WEB担当のこばです。
12月に入り、いよいよシーズン本番に入る冬キャンプ。
当然めちゃくちゃ寒いのですが、虫がいないのはもちろん、単純に寒いからキャンプに行くのやめようって人が増えるぶん、キャンプ場が空くという意味でも冬キャンプをメインにしている方もいるかと思います。
昨今の社会情勢や、アニメ、YouTube等の影響で最近キャンプデビューしたという方の中にも、比較的暖かい季節のキャンプ場の鬼混み具合(最近ヤバくないですか?)に辟易し、思い切って冬キャンプデビューしてみよう!と思われている方もいるのではないでしょうか?(冬季は閉めているキャンプ場もあるのでご注意を!)
そんな方に向けた記事を今回は書いていきたいと思います。
冬キャンプでの暖房事情
冬キャンプで真っ先に考えるのが、どうやって寒さから身を守るか?という事だと思います。
暑さに比べ、寒さの場合は余程のことが無い限り命に関わるということは少ないかと思いますが(QOLは下がりまくり)、楽しむ為に行っているのに体調を崩してしまったら、ちょっと嫌ですよね?
どうせなら、快適な空間で楽しみたいものです。
(逆に極寒を楽しむという考えの方もいらっしゃるようですが、ドMさんですかね)
そこで大事になってくるのが暖房器具の選択になるかと思いますが、暖房器具と言っても、それこそ焚火台から電気を使うものまで、本当に様々なものがあります。
一方で暖房器具など使わない! 冬用シュラフと顔(特に鼻)を冷気から保護するものさえあれば十分!という経験豊富な方もいらっしゃいますよね。
そういった方は本当に尊敬しますが、基本はやはり暖房が無いと冬キャンはできません。
私が入っているキャンプ系のオープンチャットでも、最近、冬キャンプでの暖房器具に関しての情報交換が活発に行われていて、皆さん方の知識の多さに勉強させて頂くだけの日々を過ごしております(笑)
そこで一番話題に挙がる暖房器具が石油ストーブなんですよね。
灯油を使うので危ないっちゃ危ないのですが、やはりあの反射式やダルマ式石油ストーブの暖かさは偉大ですよね。本当に偉大だと思います。
オープンチャット内でも、どうやって持ち運んだらいい? 灯油はどうしたらいい?入れたまま?といった質問とそれに対する親切な回答が飛び交っています。
石油ストーブの持ち運びやすさ、お手軽感もポイントの一つ。
石油ストーブ本体と灯油さえあればすぐに使用できますので、最悪、家にあるものを持っていけばいいという事になります(エアコン完備のマンション等に住んでいない限りは一家に一台は大概あるでしょう)。
次に多く話題に挙がってくるのが薪ストーブです。
空間を温かくするという意味では石油ストーブ以上の能力を持っていますし、薪を無料で調達できる環境にあるのであれば、燃料代が掛からないという魅力に溢れた暖房器具ですが、煙突が必須、定期的な煙突掃除も必要等、設置するとなるとそれなりの知識や経験が必要になります。
それに、初期投資としても石油ストーブの3倍以上するものなんてざらですので、効果範囲は広く威力も高いのですが、導入する人は少ないイメージです。
暖房器具=一酸化中毒の危険?
暖房器具を使うとなると気を付けなければいけないのが、やはり一酸化炭素中毒。
もちろんオープンチャットでも話題に挙がっていましたが、何かを燃やす暖房器具=一酸化炭素中毒の危険が常にあると考えていた方が良いですね。
一酸化炭素というと、見た目上の不完全燃焼で発生すると思われている方がいるようですが、それだけではありません。
閉め切った部屋で燃焼する系の暖房をつけていると、燃焼に伴って酸素が消費(炭素と結合して二酸化炭素に)されていきます。
そこに人間がいれば当然呼吸をしますので、それによっても酸素が消費されます。
その状態で換気がされないという事になりますと、その部屋の酸素が少なくなり過ぎて燃焼時に炭素が酸素と上手く結合できなくなり(これが不完全燃焼)、本来は二酸化炭素が発生しなければいけないところ、一酸化炭素が発生してしまうという状況になります。
こういった具合に、ストーブが燃焼している見た目としてはほとんど変わらなくても、いつの間にか一酸化炭素が発生しているという状況が生まれてしまう訳です。
よく言われることではありますが、一酸化炭素は無臭なので発生していることに気付けません。
ですので、見た目上の不完全燃焼だけを気を付けていれば換気をしなくていいという訳ではなく、原子単位での不完全燃焼だということを頭に入れて、暖房器具を使う=換気が必要ということを常に頭に入れておくべきです。
一酸化炭素中毒の症状
万が一、換気を忘れていたとしても最悪気付ける方法として、一酸化炭素中毒の初期症状を知っておくという手があります。
初期症状であれば、外気に当たってしばらくすれば回復しますので、以下の症状を常に頭に入れておくようにしましょう。
一酸化炭素は呼吸によって人間の体内に入ると、酸素の200倍の結合力でヘモグロビンと結合します。
ご存知の通りヘモグロビンは体内各所への酸素運搬の役目を果たしていますが、一酸化炭素と結合してしまった時点で酸素を運べなくなるため、呼吸をしているにも関わらず、体内が酸欠状態になってしまうのです。
そうしますと、
・頭痛
・めまい
・吐き気
・意識混濁
といった具合で、下に行く順に症状が進行していき、最終的に意識がなくなりその場に倒れてしまいます。
当然、意識がなくなった時点で周りに助けてくれる人がいないと、更に酸欠が進んでしまい、そのままアウト!ということになります。
そうならない為にも、初期症状である頭痛の段階でよくある片頭痛と思わず、すぐに換気や外に出る等の対処を行いましょう。
一酸化炭素中毒を防ぐ具体的な方法
一酸化炭素が発生する仕組みは分かったし、症状も理解した。換気をすればいいのも分かったけど、それ以外に何か対策方法だったり予防方法はないの?って思いますよね?
ご安心下さい!ここからは私が調べた対策という対策を列挙していきたいと思います!(記事が長くなりますので、テントを少し開けておく(メッシュ窓のあるテントを使う)、厚着をして暖房器具を使わないといった誰でも想像できる対策は省かせて頂いています)
・一酸化炭素チェッカー
※画像はDODさんの一酸化炭素チェッカー
文字通り一酸化炭素が発生している場合にアラームで知らせてくれる便利なやつです。
ただし、過信は禁物。
購入した当初は良いかもしれませんが、目に見えず、匂いもしない一酸化炭素が相手ですので、チェッカー自体が壊れているかの判断ができないんですよね。
一酸化炭素が発生してないのにアラームが鳴るならまだいいのですが、一酸化炭素が発生しているのに鳴らないパターンだった場合に目も当てられませんので、あくまでサブ的な役割にしておいて、基本的には換気を忘れないようにして頂きたいです。
もし購入される際には、あまり安い物はおすすめしません(結構ピンキリです)。
安物買いの銭失いならぬ、安物買いの命失いになりかねませんからね。
・ポータブル電源
※画像は多摩電子工業さんのポータブル電源
最近、見かけることが増えてきたなーと感じるのがポータブル電源。
クラウドファンディングでも、結構な頻度で見かけます。
昔はポータブル電源の代わりが発電機でしたが、発電機だとうるさいですし(トラブルになりかねない)何より回避したい一酸化炭素が発生してしまうので、就寝時に使うことは避けなければいけません(実際に車中泊で車外に置いていた発電機から出た一酸化炭素によって中毒死してしまった実例が複数あります)。
ですが、技術の発達によって大容量の蓄電が可能になったことで、ポータブル電源が商品化され、一酸化炭素の発生を恐れることなく就寝中も電気を使えるようになりました(もちろん容量がありますので使い放題ではありませんが)。
これであれば、電気毛布や一酸化炭素をほぼ発生させない暖房器具に切り替えることができます。
ただ難点を挙げるとすれば高価であるという点。
容量や機能によっては10万円を超えることなんてザラです。
もし購入を検討されているのなら、クラウドファンディングで安く買える時を逃さないようにしたいですね。
たまにメーカーの公式がTwitterでのプレゼントキャンペーンなんかもやっていたりしますので、運試しで応募しまくるというのも手ですね!
・電源があるキャンプサイトに泊まる
セラミックファンヒーター等の一酸化炭素中毒の心配がない暖房器具を使える環境に泊まるという方法です。
一回一回の利用料は高くなりますが、一番安全で安心、且つ初期投資の少ない選択肢はこれでしょう。
しかもすぐに実行に移せる対策です。
1シーズンの冬キャンプが2~3回という方はこの方法が無難ではないかと思います。
難点としては、その設備があるキャンプ場が少ないという事。
これからキャンプ場を作ろうとされている方には、ハードルは高いものの何とか導入して頂きたい設備の一つであることは間違いありません。
・キャンピングカーの導入もしくはワンボックスカーを車中泊用に改造する
下手すると、ポータブル電源の100倍以上の初期投資になる可能性もある対策ではありますが、一度手に入れてしまえば、キャンプ場での様々なトラブルや煩わしさからの解放を約束してくれますので、特に女性のソロキャンパーには防犯の意味でも一番おすすめしたい対策になります(軽ワゴンの改造なら何とか手が出せそうですし、実際にそういった女性キャンパー増えてきてます)。
実際に導入した後のメンテナンスやら維持コストがイマイチ想像できないのですが、本当に導入を検討されているようならキャンピングカーフェスなどのイベントも規模を問わなければ結構な頻度で開催されていますので、足を運んでキャンピングカーオーナーに直接質問してみるのもいいかと思いますよ。
まとめ
ということで今回は、『冬キャンプの暖房使用は一酸化炭素中毒への片道切符?』というちょっと怖いタイトルでお送りしましたが、如何でしたでしょうか?
数年前に比べ、明らかにキャンプ、もっと言えば冬キャンプ人口が増えている中で、起きなくてもいい事故が起きないでほしいなという思いで記事を書きました。
こうして書いてみると、人間が思う快適にはお金が掛かるなーという事が改めて分かりましたが、工夫と努力次第ではその数字を下げれる可能性は十分にありますので、そういった情報収集は惜しまずやっていきたいですね。
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over north(オーバーノース)では、長年培ってきた金属加工の技術を活かして、世の中にないものを提供することを目指し、金属製アウトドア用品・家庭や飲食店での使用を想定したオシャレな金属皿を取り揃えております。グリルプレートや焚火台、メスティンの蓋のロックパン等の開発・製品化もしており、材質は鉄やステンレス、チタンなどさまざま。ソロキャンプにもおすすめです。
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